食事をしたり、息をしたり、会話をしたりするために、お口の中は常に外部と接しています。
つまり細菌やウイルスやほこりなどが付着・侵入する可能性が高い部分です。また内臓に通じる気管や食道ともつながっている為、部位によって様々な粘膜で覆われ防御されていますが、侵入した細菌などによって炎症を起こすことがあります。「口内炎」とは、ほおの内側や歯ぐき・舌等の口の中や、その周辺の粘膜に起こる炎症の総称です。
口の中は暖かく、湿った環境のため多くの細菌が住んでいます。また外部からも細菌やウイルスが侵入してきます。歯科医院にて定期的なクリーニングを行い、口の中をいつも清潔にする事により、口内炎ができにくくなります。
<発生原因>・免疫力低下・ストレス・口の中にできた傷、ウイルス、栄養不良のため
最も一般的な口内炎です。形は円形や楕円形をした白っぽい潰瘍で、周囲は赤く盛り上がっています。一つだけの場合もあれば、同時に複数できる事もあります。強い痛みが特徴で、部位によって唾液を飲み込めない程の痛みを生じる場合があります。
<原因となるウイルス>
・単純ヘルペスウイルス
・水痘帯状ヘルペスウイルス
・A群コクサッキーウイルス
3歳以下の子供に多くみられるヘルペス性口内炎は、発熱と口の中にできる複数の小さい水ぶくれが潰れて炎症を起こします。発熱や痛みにより、食欲の低下や摂食拒否となり脱水症状を引き起こす事もあります。
A群コクサッキーウイルスは、ヘルパンギーナの原因となるウイルスで、ヘルペス性口内炎に似た症状ですが、感染力が高い事が注意事項です。
ウイルス性口内炎に多くみられる多発性の口内炎は、口の粘膜に多くの小水疱が形成されて、破れてびらんを生じる事があり、発熱や強い痛みを伴うことがあります。
義歯(入れ歯)や虫歯のつめものに不具合があったり、歯周病などにより口腔内が不衛生な時に、発症するのが「カタル性口内炎」です。
アフタ性と違い境界位置がわかりづらく、唾液の量が増えて口臭が発生したり、口の中が熱く感じたりする事もあります。また味覚がわかりにくくなる事もあります。
やけどが原因で炎症を起こす場合も含まれ、その場合は赤くただれた様になります。それほど強くはありませんが、ひりひりとした痛みを感じる場合もあります。
特定の食物、薬物、金属が刺激となりアレルギー反応を起こす
喫煙の習慣により口腔内が長期間熱にさらされることにより起こる
以上のような口内炎等もあります。ニコチン性口内炎は、口腔内の粘膜・舌に白斑が出来、がんに変化するおそれもありますので注意が必要です。
口内炎へのレーザー治療は、無痛とは言えませんが、口内炎の痛みに比べると痛みはさほど感じません。
治療時間(1回あたり)が平均3分程度なので、小さな口内炎であれば1回、大きい物でも約2~3回の照射で治療できます。
強力な殺菌作用や消毒作用があるので、口内炎の回復が早くなります。
直接口内炎にレーザーを照射すると、出血するのではと心配されますが、レーザーは逆に止血効果がありますので、患部の沈静化に役立ちます。
細胞組織を活性化する働きがありますので、治療後には患部の再生を順調に促しますので、治りが早くなることが期待できます。
ケナログという軟膏は、ウイルス性の口内炎であるヘルペス性口内炎やカンジダ性口内炎には効果がなく、逆に悪化させてしまうこともありますので、十分ご注意ください。