コーヌスクローネとは維持装置としてクラスプ(バネ)を使わず、2重構造でできた冠を使った嵌め込み式の機構を用いた義歯の事です。テレスコープデンチャーの一種。コーヌス、コーヌステレスコープ、茶筒式義歯とも呼ばれます。
クローネとはドイツ語でクラウン(冠)の事です。狭義的にコーヌスクローネを用いた義歯の維持装置のみを指す事もあるので注意が必要になります。
残存歯を形成し、その上に金属の内冠を被せる。内冠に適合する外冠を作り、この内冠外冠を維持装置として義歯を固定するものです。維持力は内冠と外冠の摩擦力を利用しています。コーヌスクローネの理解は茶葉を入れる茶筒をイメージすると分かりやすいです。茶筒は本体を強く振っても蓋は外れませんが、蓋にゆっくりとした力を加えると簡単に外れます。コーヌスクローネも同じ原理を利用しています。
コーヌスデンチャーはバネの代わりに人工的な歯を歯の上からかぶせるために、金属のバネが存在しません。またぴったりと入れ歯が入るので揺れがほとんどなく、装着感が良く、噛み心地が良いと評判です。
また残存歯への負担も少なく長持ちします。
1.唇に違和感がない・歯の表面に維持装置が来ません。
残っている歯に対し、金属のバネを利用した入れ歯のように側方からの力がかかることなく、噛んだ力が垂直にハンマー効果のように伝わります。したがってたとえご自身の歯が多少ぐらついていたとしても、長持ちさせることができます。
2.入れ歯の動揺が少ないので、入れ歯が直接載っている部分の骨(歯茎・顎の骨)が大きくやせることがありません。したがって、痛みや違和感を感じることが無く、結果としてよく噛めて長く使える入れ歯が可能となります。
3.入れ歯を維持するために金属のバネなどの金具を使用しないので、審美的にも優れた入れ歯を作ることが可能です。
4.万が一、将来的に残っているご自身の歯が使えなくなった場合でも、このコーヌス義歯は、ほとんどの場合修理で対応することができます。
5.コーヌス義歯を扱う歯科技工士は、全国でも数えるほどです。それほど精密な作業を求められるもので、出来上がってくる入れ歯に大きな違いが現れます。
6.入れ歯を外すと土台となっている歯は、とてもシンプルな構造(筒状)になっております。そのため歯磨きもしやすく、清掃性に優れています。したがって、歯周病になりにくく、ご自身の歯が長持ちすることにつながります。